交通事故の後遺症による年金受給には手続きが必要!受給条件は?

交通事故で後遺症が残った場合、加害者からの慰謝料だけでは生活するのに足りないことがあります。そんなときに頼りになるのが、障害年金です。障害年金は、国民年金や厚生年金加入者が受給できる資格のある年金制度。

ただし受給するためには、条件をクリアして申請手続きをする必要があります。どんな条件や申請手続きが必要なのか、見ていきましょう。

2種類ある障害年金

交通事故の後遺症によって受給可能な障害年金には、2種類あります。1つは障害基礎年金で、対象は国民年金の加入者です。もう1つは障害厚生年金で、こちらは厚生年金加入者が対象になります。障害厚生年金は、障害基礎年金に上乗せして受給可能です。

厚生年金は、国民年金の上乗せだからです。障害厚生年金の受給要件を満たさない場合でも、一定の後遺障害によって支給される障害手当金もあります。いずれの場合も、国民年金か厚生年金に加入していなければなりません。

交通事故に遭って初めて医師の診療を受けた日に、年金加入者であることが大切です。

障害基礎年金を受給する要件

障害基礎年金は、国民年金加入者が受給可能な障害年金です。障害基礎年金を受給するには、3つの要件を満たしている必要があります。まず必要になるのが、初診日要件を満たすことです。障害基礎年金の初診日要件は、交通事故による怪我の診療を初めて受けた日に国民年金に加入している期間があること。

初診日に20歳未満で日本国内に住んでいる人、年金に加入していない60歳以上65歳未満で日本国内に住んでいる人も初診日要件を満たします。ただし、60歳以上65歳未満で老齢基礎年金を繰り上げ受給している場合は除外対象です。

2つめの要件である障害認定日要件は、障害認定日に認められている障害等級が関係します。障害認定日とは、初診日から1年6ヶ月経過した日。受給要件は、障害認定日に障害等級が1級か2級であることです。障害認定日には例外もあります。

初診日に20歳未満なら、20歳になった日が初診日です。人工透析を初めて受けた日から3ヶ月以上経っている、肢体を切断や離断したなどのように、初診日から1年6ヶ月以内が障害認定日となるケースもあります。3つめの要件は、保険料納付要件です。

国民年金に加入していても、原則として初診日の前日に一定以上の保険料を納付していないと障害基礎年金の受給資格がなくなります。納付要件は、初診日のある月の前々月までに国民年金の加入期間の3分の2以上の期間の保険料を納付していること、あるいは初診日に65歳未満で初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことです。

ただし、保険料の納付が免除されている場合は例外が認められます。20歳以上の国民には年金加入と保険料納付が義務づけられていますが、経済的事情があれば保険料免除申請ができます。その場合も障害基礎年金支給要件の納付済み期間と認められるので、年金加入手続きは必ずしておきましょう。

障害厚生年金を受給する要件

障害厚生年金を受給するためにも、3つの要件を満たす必要があります。初診日要件は、交通事故の後遺症の原因となる怪我の初診を受けた日が厚生年金加入期間にあたることです。初診を受けた後に厚生年金に加入した場合は、受給要件を満たしません。

障害認定日要件は、障害認定日に障害等級が1級・2級・3級のいずれかにあたることです。障害認定日は原則として初診日から1年6ヶ月経過した日という点、例外もある点は障害基礎年金と共通ですが、障害等級に3級も含まれる点は異なります。

保険料納付要件は、初診日の前日に満たしている必要があります。この要件は、障害基礎年金と共通です。初診日のある月の前々月までの年金の加入期間の3分の2以上の期間、保険料が納付されているか免除されている必要があります。

あるいは、初診日に65歳未満で初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がない場合も要件を満たします。

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障害年金の受給申請に必要な書類

障害基礎年金でも障害厚生年金でも、受給するためには申請手続きが必要です。交通事故に遭って後遺障害が認定されれば、自動的に受給できるわけではありません。

申請に必要な書類には、初診日を証明するための受診状況等説明書が必要です。初診を受けた医療機関から出してもらわなければならないので、初診時から病院が変わった場合などは注意してください。受診状況等証明書を作成してもらう時期にも注意が必要です。

法律上は、カルテの保存期間は終診から5年間とされています。障害年金の申請は、原則として後遺障害等級が認定されてから1年6ヶ月以上経過していればいつでも可能です。しかし、医療機関にカルテがない可能性があります。

それでも受診状況等証明書を作成してもらうことはできますが、障害要件として証明不十分とされることもあるのです。受診中の医療機関、あるいは後遺障害認定を受けた日に受診していた医療機関から診断書をもらう必要もあります。

障害認定日より3ヶ月以内の診断書で、障害認定日と障害年金請求日が1年以上離れていれば障害年金請求日前3ヶ月以内の直近の診断書も必要です。さらに、障害によっては別途資料の提出が求められることもあります。こうした診断書の他に提出が必要になるのは、年金手帳・住民票や戸籍謄本などの生年月日を証明できる公的書類・第三者行為事故状況届や交通事故証明書などです。

障害の自覚症状を審査するために必要とされる病歴・就労状況等申立書、年金請求書も提出しなければなりません。

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申請書類はどこに提出すればよいか

申請書類が集まったら、障害基礎年金の申請なら住所を登録している市区町村役場の窓口に提出します。初診日が国民年金第3号被保険者期間中なら、最寄りの年金事務所への提出です。障害厚生年金の申請なら、最寄りの年金事務所が書類の提出先となります。

申請後は、審査がおこなわれます。審査が通れば送付されるのが、年金証書や年金決定通知書などです。審査が通らなければ不支給決定通知書が送付され、障害年金は受け取れません。障害認定日に1級や2級などの決められた等級に該当していないと、障害年金の請求要件を満たすことができません。

しかし、障害認定日後に症状が悪化して受給要件を満たすこともあります。この場合、事後請求で障害年金を受給できる可能性も出てきます。事後重症による請求は、65歳の誕生日前々日までにおこなう必要があります。